AIで売れる通販クリエイティブは作れるのか

通販の現場において、生成AIの活用は一気に現実的な選択肢となってきました。バナーやLP、商品コピーに至るまで、「とりあえずAIで作る」という動きも珍しくありません。しかし、ここで多くの企業が感じているのは、「それなりのものはできるが、売れるかどうかは別」という違和感ではないでしょうか。

実際、生成AIは一定水準のアウトプットを高速で量産する点においては非常に優れています。例えば、複数パターンの広告コピーやビジュアルを短時間で生成し、ABテストにかけるという使い方は、従来よりも圧倒的に効率的です。特にリソースが限られる通販企業にとっては、大きな武器になることは間違いありません。

一方で、「売れるクリエイティブ」という観点で見ると、AI単体ではまだ決定打になりきれていないケースも多く見られます。その理由はシンプルで、AIはあくまで過去のパターンをもとに最適化されたアウトプットを出す存在であり、「誰に、どのタイミングで、どの文脈で届けるか」という設計まではまだ担わないからです。

例えば、ある健康食品の通販企業では、生成AIを活用して数十パターンの広告バナーを制作しました。しかし、クリック率は一定水準まで伸びたものの、その後のCVRやLTVに大きな改善は見られませんでした。原因を掘り下げると、クリエイティブ自体の出来ではなく、「ターゲットの解像度」と「訴求の切り口」が曖昧なまま量産していた点にありました。

この事例が示しているのは、勝ちパターンが「良いクリエイティブを作ること」から、「勝てる構造を設計すること」へと移行しているという事実です。生成AIはその構造の中で、アウトプットのスピードと量を担う存在であり、設計そのものを代替するものではありません。

言い換えると、これからの通販においては、「誰に何をどう届けるか」という設計を人が担い、「どう表現するか」をAIと共創する時代に入っていると言えます。ここを取り違えると、AIを導入しているにもかかわらず成果が伸びない、という状況に陥りやすくなります。

重要なのは、生成AIを「クリエイティブを作るツール」として捉えるのではなく、「仮説検証のスピードを上げる装置」として位置づけることかと思います。どの顧客セグメントに、どの訴求が響くのか。その仮説を高速で回し続けるための手段として活用することで、初めて売上への貢献が見えてきます。

通販市場における競争は、これまで以上に「精度」と「速度」の両立が求められるフェーズに入っています。生成AIはその両方を支える強力な手段ですが、あくまで主役は「設計」です。場当たり的にクリエイティブを増やすのではなく、勝ちパターンを設計し、その再現性を高めていく。そのプロセスの中にこそ、生成AIの真価があるのではないかと思います。

弊社もクライアント様のニーズに合わせ、販促の初期の設計の段階からプロジェクトにアサインされることもあります。お気軽にご相談くださいませ。何卒よろしくお願いいたします。


株式会社 ダイレクト・ラボ

ダイレクトマーケティングプランナー/石井孝典

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